臨床検査学科開設
2021年4月には新たに、臨床検査技師を養成する「臨床検査学科」を開設します。
保健医療学部 臨床検査学科
- 修業年限 4年
- 定員 60人
「臨床検査新時代」未来の医療を支える技術・知識・人間力
臨床検査技師は、医療現場において臨床検査を担っている医療専門職です。臨床検査は、病気の診断、治療の選択・効果判定、健康診断や臨床治験の評価など、医療における様々な診療行為に必要不可欠な存在です。また、近年では、医療の進歩に伴い、臨床検査技術の高度専門化が進んでいます。本学では、医療現場での経験豊富な教育陣により、最新の高度な臨床検査の知識・技術の修得のみではなく、臨床検査データの見方・考え方など、医師に診療サポートできる人材養成を目指しています。
臨床検査技師とは
臨床検査技師の仕事は、幅広い内容(分野)が存在します。具体的には、生化学・免疫検査、血液検査、尿・一般検査、病理検査、微生物検査、輸血検査、生理機能検査(心電図、脳波、エコー検査など)や遺伝子検査(PCR検査を含む)などです。また、平成27年の法改正では、患者さんからの検体採取も臨床検査技師の仕事として認められるようになり、臨床検査室だけではなく外来や病棟などにおける業務が新たに追加され、その範囲は年々拡大しています。
取得可能な資格
臨床検査技師 国家試験受験資格
卒業後の進路
病院、診療所、臨床検査センター、保健所等の行政機関、検査機器メーカー、検査試薬メーカー など
卒業後の学位
- 学士(大学卒業学位 臨床検査学)
在学生の主な出身高校
学科の特長
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)
臨床検査学科は、本学の建学の精神、基本理念、教育理念に基づき、在学中に下記の資質や能力を培った者に卒業を認め、学士の称号を与える。
- 人権や多様な個性を尊重し、共生社会の実現に貢献する資質
- 高い専門性と豊かな人間性を発揮して地域社会に貢献し、保健医療福祉の向上に寄与できる能力
- 対象者のために、保健医療福祉に関わる人々と有機的な連携・協働ができる能力
- 科学的根拠に基づき、良質な臨床検査を提供できる能力
- 科学的思考をもって主体的に学修し、臨床検査学を発展させる能力
- 臨床検査室の品質マネジメントシステムの構築および実践できる能力
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)
臨床検査学科のディプロマ・ポリシーに基づき、科学的思考をもって主体的に学修する能力を養うため、講義、実習、演習の組み合わせを用い、科目に適した形態の授業を編成する。
- 人権や多様な個性を尊重し、共生社会の実現に貢献する資質を育成するため、基礎教育科目を配置する
- 保健医療福祉に携わる一員として他職種と連携・協働できる能力を育成するため、「保健医療福祉と医療検査」について学ぶ専門基礎科目を配置する
- 科学的根拠に基づいた臨床検査の実践に必要な基礎的知識を修得するため、「人体の構造と機能」、「医学検査の基礎とその疾病との関連」、「医療工学及び情報科学」について学ぶ専門基礎科目を配置する
- 高度で専門的な臨床検査の実践能力、発展させる能力を育成するため、臨床病態学と臨床検査、各臨床検査法、卒業研究を学ぶ専門教育科目を配置する
- 臨床検査室の品質マネジメントシステムの構築および実践できる能力を育成するため「検査総合管理学」、「医療安全管理学」を配置する
アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)
臨床検査学科は、建学の精神と基本理念を理解し、教育理念を実践する意欲ある人材を求める。
- 臨床検査技師を志し臨床検査学の学修に意欲的に取り組むことができる人
- 臨床検査学を学ぶために必要な基礎学力のある人
- 基礎的なコミュニケーション能力を有している人
- 他者の意見や考え方に触れ、自らの意見を整理し表現するための思考力・判断力・表現力を有している人
- 基本的生活態度が身についており、心身の健康に気を配れる人
学科長からのメッセージ
医師をサポートし、未来の医療を支える
臨床検査技師というと、検査室で黙々と仕事をしている印象があるかもしれません。ですが、医師の負担を軽減し、他職種へのタスク・シフティングが進む近年、臨床検査技師も業務領域が拡大しています。単に検体を測定して結果を返すだけではなく、診断・治療における検査結果の解釈やコメントを医師へ進言する診療サポートも大きな仕事の一つとなっています。本学科も症例臨床検査学を多く配置するなど、診療サポートに必須となる臨床検査のデータの見方や考え方などを学修するカリキュラムを強化しています。実務経験が豊富で、各専門領域24領域の認定資格を保有している各分野のスペシャリストを教員に、実践力のある臨床検査技師を養成していきます。 臨床検査技師は、役割の変化に伴い、活躍の場もどんどん広がりを見せています。皆さんとの出会いを楽しみにしています。
臨床検査学科の学びの特長
患者中心の仕事ができる臨床検査技師の育成
多職種の医療専門職が連携・協働し問題解決にあたるチーム医療が推進でき、患者中心に考え、行動できる臨床検査技師の育成を目指しています。具体的には、各種チーム医療の中での臨床検査技師の役割が理解できる、多職種連携を見据えたマネジメント能力を備えている、個々の症例における臨床検査データの解析による医師へのサポート能力を備えている、人材を育成します。
主な授業科目
- コミュニケーション学
- 臨床検査マネジメント論
- チーム医療と臨床検査
- 臨床病棟検査概論
- 症例臨床検査学(細胞診、血液・染色体、微生物・感染制御、臨床化学・免疫、輸血、超音波)
科学的に臨床検査学を追究できる臨床検査技師の育成
次世代のための技術を開発することは、医療の進歩や臨床検査の発展に欠かせません。学内には、各種遺伝子解析装置、高速液体クロマトグラフ分析計、質量分析計などの先進医療を見据えた機器を整備し、高度な専門的知識や技術の教育研究を行います。さらに、臨床検査の意義を理解し、検査結果がもたらす意味を考えるうえで応用力、観察力、洞察力、分析力を身に付け、実践的な臨床検査技師としての能力を養うとともに、研究の基礎となる独創性を培う教育研究を行います。
主な授業科目
- 卒業研究
検査室の基本的運営・管理ができる臨床検査技師の育成
近年、医療法改正などにより、臨床検査の品質管理体制の強化が求められています。そこで、臨床検査の知識・技術を修得するのみではなく、様々な視点からの管理法として、各種機器の安全管理、臨床検査室の国際標準規格、臨床検査の精度保証に欠かせない内部精度管理や外部精度管理、病院内感染対策や医療安全管理の考え方などを修得し、臨床検査室の運営や管理が実践できる人材を育成します。
主な授業科目
- 検査機器総論演習Ⅰ・Ⅱ
- 臨床検査管理学Ⅰ・Ⅱ
- 臨床検査マネジメント論
- 感染管理学
- 医療安全管理学
専任教員の特長
本学科では、「学科の特長」で掲げている養成する人材像を育成するため、高い専門性及び実務経験が豊富な臨床検査技師が専任教員として就任します。専任教員12名が保有している認定資格は以下のとおりです。
※( )内は有資格者の人数。
生化学検査分野
- 認定臨床化学精度保証管理検査技師(2)
- 認定臨床化学者(1)
- 日本糖尿病療養指導士(1)
血液・染色体検査分野
- 認定血液検査技師(1)
- 骨髄検査技師(1)
- 認定臨床染色体遺伝子検査師 (1)
輸血検査分野
- 認定輸血検査技師(1)
微生物検査分野
- 認定臨床微生物検査技師(2)
- 感染制御認定臨床微生物検査技師(2)
- 二級臨床検査士(微生物学)(1)
遺伝子検査分野
- がんゲノム医療コーディネーター(1)
病理検査分野
- 日本人類遺伝学会臨床細胞遺伝学認定士(1)
- 細胞検査士(2)
- 国際細胞検査士(2)
- 認定病理検査技師(1)
- 二級臨床検査士(病理学)(1)
- 毒物劇物取扱者(1)
- 特別管理産業廃棄物管理責任者(1)
生理機能検査分野
- 日本超音波医学会認定超音波検査士(消化器)(1)
- 日本超音波医学会認定指導超音波検査士(1)
- 二級臨床検査士(循環生理)(1)
総合管理分野
- ISO15189 2003内部品質監査員(1)
- ISO15189 2007内部品質監査員(1)
- 情報処理技術者(1)
4年間の学びの流れ
1年次
1年次は、社会人としての教養として基礎教育科目、専門科目を学修するうえでのベースとなる専門基礎教育科目を中心に履修します。
2年次
専門教育科目の講義と実習が中心となり、臨床検査の知識や技術を修得します。
3年次
2年次から続く専門教育科目の講義と実習に加え、得られた知識や技術を再確認する総合演習、チーム医療や検査室の運営管理に関する知識を修得します。
4年次
臨床検査データの解析による医師へのサポート能力を身につけるための症例臨床検査学、学内で学んだ臨床検査が実際の医療現場でどのように実践されているかを学ぶ臨地実習、臨床検査における応用力、観察力、洞察力、分析力を身につけるための卒業研究を履修し、臨床検査技師としての基礎を固めます。