臨床工学科の概要
臨床工学とは
現代の高度医療における
医療の質と安全を守るための
重要な学問です
現代の高度医療では、人工呼吸器やECMO(エクモ)などの生命維持管理装置の進歩により救命率が飛躍的に向上しています。また、カテーテル治療や内視鏡手術など低侵襲治療の革新で、より安全に質の高い医療を提供できるようになりました。このような環境の中で、医療機器の操作や管理を担う臨床工学技士は高度医療を支える重要な仕事となります。また、医療機器の進歩に応じて臨床工学技士に求められる知識や技術も変化しています。
本学では、医療機器を正確かつ安全に操作・管理できる最新の知識と即戦力の技術を習得し、高度医療の質と安全を守ることができる人材の養成を目指します。
臨床工学科では、1年次に科学的思考の基盤を形成するための基礎科目のほか、医療人に必要な人間性やコミュニケーション能力を醸成するさまざまな教養科目を配置しています。2年次は資格試験に備えるための医療機器に関連した基礎となる科目を配置し、3年次に行う実践的な知識・技術を修得するための専門科目に繋がる流れとしています。4年次前期は臨床実習を中心とした専門科目を主体に配置し、後期は国家試験のために特化したカリキュラム構成としています。
男女比
取得可能な資格
- 臨床工学技士国家試験受験資格
- 第1種ME技術実力検定試験
- 第2種ME技術実力検定試験
- 医療機器情報コミュニケータ(MDIC)検定試験
卒業後の学位
- 学士(臨床工学)
在学生の主な出身高校
3つのポリシー
アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)
- 他者を思いやる心、相手の立場に立って物事を考えられることができる人
- 基本的なコミュニケーション能力を有している人
- 学ぶ意欲や挑戦する意欲があり、主体的に学修する意思がある人
- 基本的生活態度が身についており、心身の健康に気を配れる人
- 高等学校等において能動的に幅広く学び、入学後の学修に必要な基礎学力を身につけている人
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)
本学科では、本学の基本理念に基づき、人間を尊重する態度とチーム医療の一員として必要な高い倫理観を持ち、専門分野の基礎・基本となる知識及び技術を高めることで医療機器を適切に操作できる確かな実践力と態度を身につけ、医療安全の確保と医療機器を用いた質の高い診療支援ができる臨床工学技士の育成を教育研究上の目的とする。また、臨床工学分野に関する学術研究の発展に寄与できる人材を育成するために、工学的な研究の基礎を修得したうえで医療機器の操作や安全管理における現象の解明や真理を発見するための実践力を磨くことで、臨床工学を学問として追求できる科学的思考と問題解決能力を有した人材育成を目指す。これらの教育目的を達成するための本学科カリキュラム・ポリシーは次に示す通りである。
- 豊かな人間性を持ち、科学的思考力を基に共生社会の発展に貢献できる医療人材の育成のため適切なコミュニケーション能力や協調性、科学的思考力の修得を目的として、基礎教育科目である「人間と生活」、「科学的思考の基盤」の必修および選択科目を学修して、高い倫理観と人間力を醸成する科目を配置する(本学科のディプロマ・ポリシー①に対応)
- チーム医療において、常に患者を意識して最善の医療を提供するためには、医学と工学を総合的に理解した医工学のスペシャリストとして他職種と連携・協働することが必要であり、その基盤を形成するために「臨床工学に必要な医学的基礎」、「臨床工学に必要な医療情報学とシステム工学の基礎」、「生体機能代行技術学」、「医用安全管
理学」について学ぶ専門基礎教育科目、専門教育科目の科目を配置する(本学科のディプロマ・ポリシー②に対応) - 医療機器の適切な使用のために専門的な知識と技術を修得し、幅広い領域において医学的、または科学的根拠に基づいた良質な診療支援技術を提供
できる人材育成のために、「人体の構造と機能」、「臨床工学に必要な医学的基礎」および「関連臨床医学」、「医用機器学」、「生体機能代行技術学」について学ぶ専門基礎教育科目、専門教育科目の科目を配置する(本学科のディプロマ・ポリシー③に対応) - 多様化・高度化する医療機器の安全使用を確保することで、医療安全の推進に寄与できる知識と技術を持った人材育成のために「臨床工学に必要な医学的基礎」、「医用生体工学」、「医用安全管理学」、「医用機器学」、「生体機能代行技術学」について学ぶ専門基礎教育科目、専門教育科目の科目を配置する(本学科のディプロマ・ポリシー③に対応)
- 医療機器の効果的な活用や安全使用など臨床工学分野で直面する課題を発見し、科学的に解明するための能力を磨くため、「科学的思考の基盤」、「臨床工学に必要な理工学的基礎」、「臨床工学に必要な医療情報学とシステム工学の基礎」、
「医用生体工学」、「医用機器学」、「医用安全管理学」などの科目により工学的な研究の基礎を身につけたうえで「卒業研究」を必修科目とすることで医療機器に関連した課題について新たな知見を発見するための研究を遂行する(本学科のディプロマ・ポリシー④に対応する) - 常に発展し続ける医療機器を管理する臨床工学技士には、生涯にわたり学修を継続することが必要であり、自ら主体的な学びの意欲を引き出すためのアクティブラーニングを実践するため、「プロジェクトスキルⅠ」、「プロジェクトスキルⅡ」、「チーム医療」、「臨床実習」および「卒業研究」を配置して段階的に学びの価値を追求する(本学科のディプロマ・ポリシー⑤に対応)
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与方針)
本学の基本理念、「臨床工学科の養成する人材像」および教育目標に基づき、臨床
工学科における卒業時の到達目標は、以下のとおりとする。在学中に下記の資質や能力を培った者に卒業を認め、学士(臨床工学)の称号を与える。
- 相手を思いやる豊かな人間性を有し、科学的な思考力を基に共生社会の発展に貢献する資質
- 適切なコミュニケーション能力、協調する力を身につけ、常に患者を意識し他職種の医療従事者と連携・協働ができる能力
- 臨床工学の専門的な知識や技術を身につけ、多様化・高度化する医療機器の適切な操作や安全に管理できる能力
- 工学的な研究の基礎を身につけた能力
- 生涯にわたり自己研鑽する意欲と自己学修力を身につけている